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展示会のモニターレンタル|何インチにするか、液晶とLEDビジョンのどちらにするか
1小間(3m角前後)のブースなら、55〜65型の液晶モニターが扱いやすい大きさです(65型は4Kの映像で使う)。広いブースで大きく見せたいなら75〜98型の4K液晶、98型を超える大画面や、通路の先から見せる画面、形にこだわる画面ならLEDビジョンが向いています。
理由は、見る距離と高さの制限にあります。奥行3mのブースでは画面から2m前後で見られやすく、パナソニックの目安(フルHDは画面の高さの約3倍)で計算すると、フルHDの映像で画素が目立ちにくいのは55型あたりまでです。高さ2.7mの制限がかかる場所で、画面を人の頭より上に付けられるのは65型まで。業務用の液晶は、現行品では98型前後が大きいものの目安です。
アディザネージの自社出展でも、通路から目を引く画面はLEDビジョン、足を止めた人に内容を伝える画面は大型の液晶と使い分けました。このあと、目安の根拠と、重さ・電気・レンタル費用・申込みの段取りをまとめています。
先に決めるのは「その画面を、どこから見せるか」
サイズより先に、その画面を通路の先から見せるのか、ブースの中で見せるのかを決めます。展示会の画面には、役割が2つあります。1つは、通路を歩いている人に遠くから気づいてもらい、足を止めてもらうためのもの。もう1つは、ブースに入ってきた人に製品やサービスを説明する画面です。
同じ65型でも、この役割によって置く高さも映す中身も変わってきます。画面の役割を先に決めれば、サイズ・高さ・液晶かLEDかが順に決まっていくので、見積もりを取る前に社内で話しておくと進めやすくなります。

通路の先から見せたい画面を低い位置に置くと、通路に立ち止まった人の頭で下半分が隠れてしまいます。たとえば画面の下端を1.8mほどに上げると、立ち止まった人の頭で隠れにくくなります。一方、ブースの中で説明に使う画面は、立った人の目の高さに画面の中心を合わせるのが読みやすい置き方です。
見る場所にも決まりがあります。たとえば CEATEC の出展規程では、映像装置を置くときは来場者が通路に溜まらないよう、ブースの中に見るためのスペースを取ることが求められています。立ち止まった人がブースの中に一歩入って見られる配置にしておくと安心です。
ブースの広さから、画面サイズの目安を出す
1小間なら55〜65型が目安で、65型以上は4Kの映像で使います。展示会のブースは「小間(こま)」という区画単位で借ります。今回確かめた CEATEC・Inter BEE・AUTO-ID EXPO の出展規程では、1小間は3m角か2.97m角でした。CEATEC と AUTO-ID EXPO では、会場側が立てる仕切りの壁(システムパネル)の高さが2.7mです(Inter BEE の標準の小間は、壁の無いスペースだけの貸し出し)。
高さの制限は展示会ごとに違います。CEATEC では1〜12小間のブースなら、通路と壁から1m下げた部分は3.6mまで使えます。AUTO-ID EXPO では、隣のブースから1m以内は2.7mまで、それより内側は4mまで。自分の展示会の規程を最初に確かめておくと、あとで置き場所を考え直さずに済みます。
画面の大きさと、画素が見えにくくなる距離
画素が見えにくくなる距離は、フルHDなら画面の高さの約3倍、4Kなら約1.5倍(パナソニックの目安)です。大きい画面ほど、4Kの映像が要ります。映像の細かさは「フルHD」(横1,920×縦1,080画素)と「4K」(横3,840×縦2,160画素)の2つがよく使われます。4Kは画素の数が縦横2倍なので、同じ大きさの画面なら画素1つが半分の大きさになり、近くで見ても粗さが目立ちにくくなります。
| インチ | 画面の幅×高さ | 画素が見えにくくなる距離(フルHD) | 同(4K) | 本体の重さの例 |
|---|---|---|---|---|
| 55型 | 約122×69cm | 約2.1m | 約1.0m | 約17kg |
| 65型 | 約144×81cm | 約2.4m | 約1.2m | 約23kg |
| 75型 | 約166×93cm | 約2.8m | 約1.4m | 約38kg |
| 86型 | 約190×107cm | 約3.2m | 約1.6m | 約48kg |
| 98型 | 約217×122cm | 約3.7m | 約1.8m | 約67kg |
画面の幅と高さは、16:9 の対角のインチ数から計算した映る部分の大きさです(本体は枠の分だけ少し大きい)。距離は、パナソニックが示している「フルHDは画面の高さの約3倍、4Kは約1.5倍」の目安で算出しました。重さは NEC の業務用ディスプレイの仕様表の値で、55・65型は軽い系列、75型以上は別の系列の製品です。いずれもスタンドは含まず、多くは生産終了品のため、目安としてご覧ください。
この表から分かるのは、大きい画面ほど、4Kの映像を用意しないと近くで粗く見えるという点です。奥行3mのブースでは、ブースの前や中で見る人と画面の距離が2m前後になりやすいため、フルHDの映像なら55型あたりまで、それより大きい画面なら4Kの映像で使うと、画素が目立ちにくくなります。
高さの制限から、1小間に付けられる大きさを出す
2.7mの制限がかかる場所で、画面の下端を人の頭より上(1.8m)にするなら、付けられるのは65型までです。下端を1.8mにしたときの画面の上端は、次の高さになります。
- 55型:約2.48m
- 65型:約2.61m
- 75型:約2.73m
- 86型:約2.87m
75型以上を高い位置に付けたいなら、制限の緩い、壁から下げた位置に置けるかを規程で確かめる必要があります。ブースの中で説明に使う画面なら、中心を1.4mに置いても98型の上端が約2.0mなので、高さの制限にはかかりません。

55〜65型なら重さも20kg前後に収まり、床置きのスタンドで角に立てても、壁の高い位置に付けても(壁に掛けられるかは施工会社に確かめる)、高さの制限に収まります。置き方には、この2つのほか、受付カウンターの上に置く卓上型、縦向きに立てるスタンド一体型といった形があります。
広いブースで大きく見せたいなら、75〜98型の液晶を4Kの映像で使うか、次に説明するLEDビジョンが候補になります。
液晶モニターとLEDビジョンの分かれ目
98型までの大きさで、近くで見せる画面なら液晶、それを超える大きさや、遠くから見せる画面ならLEDビジョンが向いています。分かれ目になるのは、次の5つの点です。
大きさ:液晶は98型前後まで
業務用の液晶ディスプレイは、現在販売されている製品では98型前後が大きいものの目安です(たとえばソニーの法人向けブラビア FW-98BZ53L は98V型)。それより大きな画面が欲しいとき、液晶を何台も並べると画面と画面の間に枠の線が入ります。98型を超える1枚の大画面が欲しいなら、LEDビジョンを選ぶことになります。
見る距離:近くで読ませるなら液晶、遠くから見せるならLED
1m以内まで近づいて細かい文字を読む・タッチする画面なら、画素の細かい4Kの液晶が向いています。LEDビジョンが力を発揮するのは、数m先の通路や隣の通路から見せる場面です。
LEDビジョンは、画素と呼ぶ小さな発光部品を並べて映像を映し出し、その間隔を「画素ピッチ」と呼びます。NEC のLEDディスプレイのカタログでは、画素は見えても映像として違和感なく見られる最短の距離を画素ピッチの約1000倍、画素が見えにくくなる距離を約2500倍としています。
| 画素ピッチ | 映像として見られる最短の距離 | 画素が見えにくくなる距離 |
|---|---|---|
| 1.2mm | 約1.2m | 約3.0m |
| 1.9mm | 約1.9m | 約4.8m |
| 2.5mm | 約2.5m | 約6.3m |
| 3.8mm | 約3.8m | 約9.5m |
液晶の画素の大きさを計算すると、65型の4Kで約0.37mm、98型の4Kでも約0.56mmです。この表のLEDの画素ピッチ(1.2〜3.8mm)より、ずっと細かいことが分かります。

解像度:LEDは画面が小さいと粗くなる
画素ピッチが決まっていると、画面を小さくするほど画素の数が減り、映像が粗くなります。同じカタログの例では、フルHDの画素数を出すには、1.2mmピッチで110型、1.9mmピッチで165型の大きさが必要です。LEDビジョンは、大きく作るほど本領を発揮する画面だと言えます。
明るさ:会場の照明の中で目立つか
遠くから光って見せたい画面は、液晶よりLEDビジョンのほうが明るく作れます。画面の明るさは cd/m²(カンデラ毎平方メートル)という単位で表します。業務用の98型液晶は、生産終了品を含めて400〜780cd/m²ほど。NEC の屋内用LEDディスプレイ(FEシリーズ)は600〜1,000cd/m²で、高輝度のモデルは1,600〜2,500cd/m²あります。展示ホールは天井の照明が明るいので、遠くから光って見せたい画面では、この差が効いてきます。
形:縦長・横長・壁一面・透ける画面
液晶の形は16:9の長方形で決まっていますが、LEDビジョンはパネルを組み合わせて大きさと形を作ります。アディザネージのLEDビジュアルウォールも500mm角のパネルを組み合わせる作りで、横に長い帯や、ブースの壁一面の画面にできます。向こう側が透けて見えるシースルーのLEDや、5面が光るキューブ型のように、液晶ではできない形を選べるのもLEDビジョンの特徴です。

ここまでを場面ごとにまとめると、次のようになります。
| 見せたい場面 | 向いている画面 |
|---|---|
| ブースの中で資料・細かい文字を見せる、タッチで操作してもらう | 液晶モニター(4K) |
| 1小間で、通路に向けて映像を流す | 液晶モニター(55〜65型。65型は4Kの映像で) |
| 広いブースで、ブースの前の通路に向けて大きく見せる | 液晶モニター(75〜98型・4Kの映像)か、LEDビジョン |
| 通路の先や隣の通路からも見せたい、98型より大きな画面が欲しい | LEDビジョン |
| 横長の帯、壁一面、透ける画面、キューブ型など形にこだわりたい | LEDビジョン |
重さ・電気・搬入で見落としやすいこと
サイズを決めるときに見落としやすいのが、重さと電気です。ソニーの98V型は本体だけで67.2kg、箱に入った状態では91kgあり、箱の大きさは幅約233cm×高さ約140cmにもなります。会場の搬入口からブースまで運ぶ人手と、通れる経路が必要です。
重い画面は、床置きのスタンドか自立フレームで支えましょう。システムパネルに掛けたいときは、掛けられるかを施工会社に確かめておきます。出展規程にも決まりがあり、CEATEC では高い位置に付けるモニターにボルトやワイヤーでの落下防止を求めています。東京ビッグサイトの防災ガイドラインにも、地震で転倒・落下しない据え付けにするよう定めがあります。
電気は、多くの展示会で事前の申込みが必要です。CEATEC の場合は会期の約1か月前が締切で、容量は1kW単位で切り上げて申し込みます。申し込んだ容量は、会場で変えられない場合があるので、画面の消費電力を先に足し算しておくと安心です。
- ソニーの98V型液晶:505W(仕様表の値)
- NEC の屋内用LED:パネル1枚あたり120〜150W。110型を組むと16枚になるので、単純に足すと約1.9〜2.4kW
LEDビジョンは大きくなるほど電気も増えます。とはいえ、画面・照明・パソコンを合わせて何kW申し込めばよいかを決めるのは、電気に詳しくないと難しい作業です。アディザネージのLEDビジョンのレンタルをご利用の場合は、電気の申込みの容量も含めて、スタッフにご相談ください。なお、ブレーカーから先のコンセントや配線の工事は出展者側で手配する、と定めている展示会もあります。

レンタル費用が変わる理由
レンタル費用は、画面の大きさと台数に加えて、日数・支える物・運搬・設営・映像で変わります。画面そのものの料金だけで決まるわけではありません。見積もりの金額が変わるのは、主に次の点です。
- 画面の大きさと台数。LEDビジョンは面積(何㎡か)で決まることが多い
- 借りる日数。会期だけでなく、設営日と撤去日を含むかどうか
- スタンド・壁掛けの金具・自立フレームなど、画面を支えるもの
- 運ぶ距離と、搬入口からブースまでの運び込みやすさ
- 設営・撤去の人手と作業時間。LEDビジョンはパネルを組むため、液晶より作業が増える
- 映像を流す機器(プレーヤーやパソコン)と、会期中の操作を任せる人(オペレーター)が要るか
- 流す映像を新しく作るかどうか
このほかに、会場に払う電気の料金が別にかかります。主催者の料金表では、CEATEC が1kWあたり13,200円(税込)、Inter BEE が1kWあたり11,000円です。
買うか借りるかは、年に何回出展するか、会期以外に使う場面があるか、保管と運搬を自社でできるかで判断します。年に数回の出展だけなら、運搬と設営までまとめて頼めるレンタルのほうが手間は少なく済むでしょう。社内のショールームや店頭でも使うなら、購入を検討する価値もあります。アディザネージのLEDビジョンのレンタル料金は料金ガイドに、購入はLEDビジョンの販売のページにまとめています。
申込みから撤去までの段取り
画面のレンタルは、出展規程の締切から逆算して進めます。順番は次のとおりです。
- 出展規程を読む。小間の寸法、高さの制限、落下防止の決まり、映像装置の置き方を確かめる
- 画面の役割・サイズ・液晶かLEDかを決め、レンタル会社に見積もりを頼む。ブースの図面、会場名、会期、搬入と搬出の時間を渡すと話が早い
- 電気を申し込む。画面の消費電力に、照明やパソコンの分を足して容量を決める(分からなければ、画面を借りる会社に相談する)
- 流す映像を作る。画面の画素数に合わせて作るのが基本で、たとえば2.5mmピッチで横3m×縦2mのLEDビジョンなら、横1,200×縦800画素になる。通路を歩く人は立ち止まらずに通り過ぎることが多く、会場は周りのブースの音で聞き取りにくいので、音が無くても伝わる短い映像にする
- 搬入・設営。画面の点灯を確かめられるのは送電が始まってから(CEATEC では会期前日の14時から。周りの作業の状況で遅れる場合もある)なので、映像を確かめる時間を取っておく
- 会期中。映像が止まったとき・切り替えたいときに誰が対応するかを決めておく
- 撤去。搬出の時間に合わせて、機材を片付けて運び出す

LEDビジョンは、組むパネルの枚数で縦横の比率も画素数も変わります。16:9で作った映像を、比率の違うLEDビジョンに流すと、上下や左右に黒い帯が出たり、映像が引き伸ばされたりします。流す映像は、借りる画面が決まってから作るのが失敗しにくい順番です。
アディザネージの自社出展で使った画面
アディザネージの自社出展では、目を引く画面はLEDビジョン、足を止めた人に内容を伝える画面は液晶と使い分けました。写真は、アディザネージ(A・G・Sとアディザインが共同で進めるデジタルサイネージ事業)が、アディザインの名前で出展したときのブースです。

- 通路側の側面:シースルーのLEDビジョン。外に向けて目立つ映像を流しながら、近づくとブースの中が透けて見える
- ブースの奥:LEDビジュアルウォール(500mm角のパネルを組んだ壁一面の画面)。映像のほか、カメラと組み合わせたスロットゲームも流した
- ブースの上:キューブ型のLEDサイネージ。5面が光るので、いろいろな方向から目に入る
- ブースの右側:大型の液晶モニター。サービスの大まかな内容が分かる映像を流し、遠巻きに「何の展示だろう」と覗いている人に内容を伝える
- ブースの中:縦にも横にも使える大型のタッチパネル。普段は広告として流し、話しかけられたら説明用の資料に切り替える
大型の液晶モニターには、スタッフが別の来場者の対応で手いっぱいのときに、待っている人に映像を見て時間を過ごしてもらえる効果もありました。液晶モニターの使い方は特設ページの「大型液晶モニター」に、出展の様子の全体は展示会の特設ページで紹介しています。
ブースの中の大型の液晶タッチパネル(Android を搭載)にウェブサイトや資料を表示したところ、スタッフが対応しきれないほど混んだ時間帯にも、来場者が自分で画面を操作して知りたいことを調べてくれました。自分からは声をかけにくい人にも、パネルを触っているところへこちらから話しかけられるので、会話のきっかけとしても役に立っています。

タッチパネルの使い方は、展示会の特設ページの「大型タッチパネル」で、動画と一緒に詳しく紹介しています。
まとめ:借りる前に決めておくこと
展示会のモニター選びは、次の順で考えると迷いにくくなります。
- 画面の役割を決める。通路の先から足を止めてもらう画面か、ブースの中で説明する画面か
- ブースの広さと高さの制限からサイズを決める。1小間なら55〜65型が扱いやすく、65型以上の画面は4Kの映像で使う
- 98型を超える大画面、遠くの通路から見せる画面、形にこだわる画面なら、LEDビジョンにする
- 重さと電気を確かめ、出展規程の締切までに電気の申込みを済ませる
次にすることは、自分の展示会の出展規程を開いて、小間の寸法・高さの制限・電気の申込み締切の3つを確かめることです。そのうえでブースの図面と会期をそろえると、レンタルの見積もりがすぐに取れます。
アディザネージは、展示会・イベント関連だけで100社以上・300件のLEDビジョンの施工やコンテンツの提供を手がけてきました。展示会向けのLEDビジョンのレンタルは、搬入・設営からオペレーションまでまとめてお引き受けします。詳しくはLEDビジョンのレンタルをご覧ください。画面だけでなくブースのデザインや施工から任せたい場合は、展示会ブースの制作のページで対応範囲を紹介しています。液晶モニターの購入や、LEDビジョンと液晶を組み合わせたブースのご相談は、お問い合わせからどうぞ。